Shadows

その場所に前の晩に車で着いたときに、すでに何かを感じていた。
もうかなり暗くなっていたダークブルーの空に浮かぶ松の木々は良く見えないながら静かに強い存在感を放っていたが、一晩経って明け方に、それを確かめるためにその辺りを散歩に出かけたのだった。案の定、それらは素晴らしいシルエットを空間に映し出していた。

私は未だ明けつつある旭日に照らされたこの松の木々を見つめながら、瞬時にこの光に満ちた木々のシルエットを描きたいと思った。
それらはシルエットであると同時に光そのものであった。この松のシルエットを描くことで光を絵画で表現できたら、と考えたのだ。
それは光の中に消え入る松でなければならない。この世は全て空、幻想であるというのは仏教の教えだが、現実とも非現実とも言える境目、境界線の光景を描きたかったのだ。
私は光り輝くこの光景の作品に敢えて、影(Shadows)というタイトルをつけた。それは光の風景でありながら、同時に様々なことを示唆させたかったためだ。
人々はこの絵画に希望を感じるだろうか。あるいは惨事の瞬間を思うだろうか。また数百年後の人がこの絵画を目にしたときには何を思うだろうか。

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